2007/01/21//Sun.
この世に希望なんてなかった!
未来だってないんだよ!
信じて歩いて来た道は、絶望へしか繋がってないんだよ。
2006/11/29//Wed.
空気が欲しい
吸っても不快にならない
吐いても不快にさせない
人が人と生きるための
「空気」が欲しい
ガスボンベとかに入れて
コンビニで売ってないかな
そしたら僕は
滞りなく生きていけたかな
2006/11/15//Wed.
私だけの国には、その幼稚さには不釣り合いな、冷たくて頑丈なシャッターがついている。
人がこの世界に害を為すと見なされたとき、全てを断絶して、安息を得るためだ。
しかし今、このシャッターは、見えない或る力によって下がらなくなってしまった。
遮りきれない外界との隙間から、人が、思いが流入して、口々に刃を吐き出してくる。
それら全てが、「愛」と呼ぶものだったのだけれど、今はただ、痛みしか感じられない。
それが苛立たしくて、悲しくて、苦しくて、泣いてばかり。
外が恐くて、出ていけないのに、早く行かないと私は死んでしまう。
外を恐がるのは、そこに最低限の「私」すら存在しないから。
「私」がいないから。
他の何もかもがあっても、「私」は存在できないから。
自信さえ許されないなら、独りで、誰もいない世界で死にたい。
何よりも、「私」が欲しいよ。
ねえ、お願い、このシャッターをどうにかするの、手伝って。
2006/10/25//Wed.
僕らの歩いてきた道
遠くて、長くて。
踏みしめた足跡も消えてしまうほど、
歩いてきた年月を、重ねて。
いつかその、日々の塔は崩れるけれど
これまで歩けて、嬉しかった。
これからも、共に行こう。
道が果てても、
この身朽ちるまで。
この心折れるまで。
崩壊する記憶たちを、振り返らずに
2006/09/25//Mon.
信じない
何も信じないけど
君だけは信じたい
どうかこの思いが
どうか今この時が
虚偽ではありませんように
2006/07/20//Thu.
これは、高校時代最後に提出した作品だ。
ワードの作成日時は2005年11月になっている。
そこはかとなく追い詰められていた、三年生の初冬である。
これを書いた動機は今となっては殆ど思い出せないが、
激しい嫉妬となれの果てを書きたかったのではないかなあ。
そうやって、自分を戒めていたのかもしれないと、今では思う。
最近この話を思い出すニュースがあったのだけれど、なんだったっけなあ。
そうそう、この話は、言うまでもなく童話「王子と乞食」或いは「王子と少年」という作品から着想を得ている。
物語世界を見事にぶち壊してしまって、原作が好きな方がいたら大変申し訳ないのだけれど。
私は、実はこの話はおぼろげにしか覚えていない…。
感想・批判等ありましたら、遠慮なくコメントください。
いつも自己満足のためにやってますが、向上心はあります。
こんな感じで良ければ、これからもご贔屓に。
2006/07/20//Thu.
背の高い男は黙って王子だった乞食を見ていた。
人間はどこまででも浅ましくなれるものだなと内心で感嘆しながら、気付かれぬようにそっと一歩を踏み出す。
「それは、残念なことでした」
男には他に掛ける言葉がなかった。
殺し屋の男にとっては他に言葉を掛ける必要もないだろう。
飽くまで、飽くまで事務作業なのだから。故に彼は淡白に告げる。
「しかし王子に双子の兄がいたという情報はあったとしても抹消されていますし、本当にあなたがそういう身分だったという確証はないでしょう」
乞食は洟を啜りつつ、自分の足元を顎で示した。
「右足の裾を上げてくれないか」
男が言われた通りに捲り上げてやると、乞食の脹脛には幾何学的な紋様が彫られていた。
「それは、この国の王の血族だけに彫られる刺青だ」
随分色が褪せ汚れて見にくくなっているが、確かに王家の百合の紋をモチーフにした細工の凝らされたものだった。
「おれが捨てられる前の晩によ、ドーチェの隣の揺りかごで眠っていたら、どじな召使が間違えて彫り師にやらせちまったみたいでさ。まだ赤ん坊だったが、凄く痛かったことだけはしっかりと覚えてる」
言って感極まったのか、乞食は再度涙を零し出した。
男はその様子も静かに観察している。
「………………なら、いいでしょう」
気付けば、男は乞食の肩に触れられるほど傍まで近寄っている。
口調はこれまでと何ら変わらぬ丁重なものだったが、言葉が纏う雰囲気に、乞食は違和感を覚えた。
涙の乾かない乞食の目が、一瞬分厚い眼鏡の奥に双眸を捉えた。
そこでようやく違和を理解する。
それは彼の人生で何度か目にしたことのある裁きを下す者の目で、まだ幼い頃に怯えた、街の隅に凝縮された闇のような黒だった。
乞食は不意に、その闇に吸い込まれていくような感じを覚えた。
少しずつ、自分の視界が狭まっていく。
自分はとうとう、街に呑まれてしまったのだ。
「王子の代わりに、兄であるあなたが死んであげてください」
乞食の聴覚が、辛うじて殺し屋の声を捉えた。
その言葉で、乞食は自分が街に消えていくのではなく、殺し屋に殺されるのだと、気付いた。
のっぽの男は、最後まで無表情で、無慈悲だった。
数日後、王子が登山中に落石に呑み込まれたという訃報が、テレヴィジョンなどを介して国中に伝えられた。
王子の屍はぺたんこに潰れて、頭と腕は千切れてしまったという。
王子の告別式は盛大に営まれ、国民の誰もが彼の死を悲しんだ。
やがて他に子供がいなかった王は、王家に最も近い血縁で賢臣である男に、次期王位を継承させることに決定した。
一方、遥か遠方の地で、ドーチェ王子に似た流れ者がみすぼらしい姿の美しい女を連れて、農耕生活を始めたいう噂がまことしやかに流れた。
が、結局真相は、いつしか民衆の記憶の表層で掻き消えてしまった。
了
2006/07/20//Thu.
顔を上げて、世間話をする様子で男が乞食に問う。
「ところで王子を殺したいだなんて、余程の理由がお有りなんでしょうね」
その言葉に、今度は乞食が黙り込んでしまった。
野心に燃えていた瞳が、一瞬光を失う。
「……捨てられたんだ」
呟きは蚊の鳴くような声で、男は危うく聞き落とすところだった。
「おれは王の息子として生まれた。ゆくゆくは王にもなる身だった」
それは男に聞かせるというよりは、独白。
自分の所業を納得させる為の、人生を肯定する為の言い訳のようでもあった。
「しかしそんなことはそもそも不可能だった。
王族は近親としか結婚をしない。
血縁の近い者同士の子供には、時々おれのような奇形児が生まれちまうものらしい。
おれには生まれた時から腕がなかった。
おれの姿を気味悪がった王と王妃は、早々に赤ん坊のおれを放り出して、五体満足に生まれてきた双子の弟だけを王子として公表したんだ」
乞食が軽く動かした腕は、言われれば確かに不気味なのかもしれない、と男は思った。
彼は仕事柄手足や目鼻のない人間はごまんと見てきたが、普通の生活を営んでいれば、ましてや平和な国の王族では、それは断じて目にすることのない物だろう。
男は黙って、乞食の呟く話を聞いていた。
「おれは生き延びるのに必死だった。
ろくに物も掴めないこの身体で、何度も死に直面しながらどうにか今日まで生きていた。
しかしあのドーチェの野郎はどうだ?
おれがのたうち回っている間に、優雅にティータイムでも気取っていたんだろう?
おれより恩恵を受けて生まれてきたあいつが、おれの居場所を悠々と奪い取り、人の何倍も多くのものを手に入れようとしている。
名前さえ貰えなかったおれは、地面に這いつくばって唇を噛むだけなのか。
違う。
ドーチェが手に入れた物、これから手に入れる物はおれの為に用意されたものだ。
奪われた物は持ち主が奪い返す権利がある!
だからおれは、おれは!
あの野郎を殺し!
おれを捨てた王も殺し!
この国の政権を滅茶苦茶にしてやるのさ!」
乞食はからからに乾ききった哄笑をしばらく、周りに構わず響かせた。
対照的に目元に盛り上がった涙が来る喜びの為に流れるのか、他の要因があるのかは、本人にすら分からなかった。
続